2014年3月13日木曜日

カメハメハ大王を後押ししたパワースポット、「プウコハラ・ヘイアウ」

植物園の続きを書こうと思ったのですが、写真を見返していたら意識が西海岸に飛んでしまったので、急にこっちの遺跡の話を書きます。

ハワイはパワースポットがたくさんあることでも知られています(一部のオカルトマニアだけか???)。

学生時代に(もう四半世紀前のことですが)よく読んでいたイギリスのオカルト系作家コリン・ウィルソンの大作「ミステリーズ」では、最初の章に大地には地のエネルギーが通る経路があり、それをレイ・ラインと呼ぶこと、その線上ではオカルト的な現象がよく見られることなどが説明されていました。

その後、世間では風水が流行り、私も風水師でもなろうかと変な八卦と方位磁針の付いた風水盤を買い込んで市販の本を大量に読破してせっせと研究していました。しかし、そのうち大地の気を呼びこむより、どんな場所でも「住めば都」と思える図太さの方が大事かもしれない、と思い至り、さっぱり止めてしまいました。

そんなレイ・ラインというか龍脈がハワイにはたくさんありますが(どうでもいいや、とは思っていますが、まだ当時蓄えた知識と感覚は残っています)、その大地の気が集まるところ、もしくは吹き出すところとして、ハワイには「ヘイアウ」と呼ばれる聖地があちこちにあります。

旅行ガイドを見ると、神社とか寺院とか聖地とか訳語に苦労していますが、まあ一言でいうと、大地のエネルギーが集まるパワースポットというべき場所でしょう。

その中でもオカルトファンにも歴史ファンでも、また単なるハワイ好きにも楽しめる場所が、このプウコハラ・ヘイアウ(Puukohara heiau National historic site) です。

場所は、コナ国際空港から北に20kmくらい行ったところです。10kmちょい北上すると、やや人工的ながらハワイ島最大のリゾート地、ホテルやコンドミニアム、ショッピングセンターやゴルフ場が並ぶワイコロア(Waikoloa)地区があります。そこからさらに数kmくらい北上すると、やたら青い海、低い灌木や草の茂るブッシュが広がり、正面にはハワイ島では最古のコハラ山脈が見え、右手上方にはマウナ・ケアが見えます。

その先端に三叉路があり、ハワイ島北東部のややサイの角のように出っ張った地形の付け根辺りになります。右に曲がると急坂があり、高原の町ワイメア(Waimea)に、左に曲がるとさらに海に沿ってハワイ島北端の町ハヴィ(Hawi)に続く道路(270号)があります。

その270号に入ってすぐ左に、このプウコハラ・ヘイアウがあります。左の斜面を下っていき、そのまま海岸線まで下ると、「サミュエル・スペンサー・ビーチパーク」(Samuel M. Spencer Beach Park)というハワイ島でも屈指の美しい海水浴場があります。

隣りが全米でもトップクラスに美しい海水浴場といわれるマウナ・ケア・ビーチパークなので、ここも白い砂、青い海、そこに木の緑が美しいコントラストで映えています。

そこまで下がらず、坂の途中で右手に入ると、プウコハラ・ヘイアウのビジターセンターがあります。中はちょっとした歴史博物館になっていて、古代ハワイ人の文化や建設技術が分かります。

プウコハラというのは、ハワイ語で「クジラの丘」という意味だそうで、何だかこの石造りのヘイアウの形も巨大なクジラを思わせるものがあります。

おそらく同じ海洋民族として、日本人と同じように、昔のハワイ人も骨や肉、油、繊維など、大切な資源として無駄なくクジラを活用したのではないでしょうか。

そもそもハワイ諸島を統一したカメハメハ大王は、このノース・コハラ界隈の出身であり、何でも神官の予言で、プウコホラ・ヘイアウを建立して戦いの神クカイリモクを奉ればハワイ諸島全部の王になれるということで、この約70m×30mの巨大な神殿を作ったそうです。

最終的にカメハメハ大王は諸王が林立していたハワイ諸島を1810年に統一したわけで、その原点とも言える場所です。カメハメハ大王は途中から西洋の技術やノウハウを取り入れていきますが、このヘイアウを作った頃はほとんど西洋文化は入ってきていないはずなので、伝統的なハワイの石造りの建設技術を見ることができます。

ビジターセンターから3~4分歩いたところに、この石造りの神殿があります。いつ行っても思うのは、信じられないくらい静かで(まあ他の訪問者もいますが)、そして青い空と海と石造りの港が驚くほど綺麗で、何だか別世界にいるような気がします。


歴史やハワイ文化に興味のない妻子からは、早く次の目的に行こうと、ニワトリのように追い立てられますが、この楽園でそれでも必死に生きていた昔のハワイ人のことを思うと、不思議な気分になります。

帰りにパンフレットをもらいましたが、この遺跡を維持・管理するため、とりあえず2~3ドルほど募金箱に入れていきました。運がいいと伝統的なハワイ系の老人がいて、この遺跡やその他のハワイ文化の話をしてくれます。

前方に広がるコハラ・コーストの海は、冬場や春先までアラスカのザトウクジラが子育てに南下してきているので、運がいいとクジラが泳いだり塩を吹いたりしているのが見えるそうです。

残念ながら私は昨年以外は夏場や秋口に行っているので、見たことはありませんが。

ちなみにパワースポットとしては、火山活動がどんどん南下していることや、カメハメハ大王がずいぶんパワーを使ってしまったせいだと思うのですが、ピークから比べると相当エネルギーは使い尽くされたような感じはします。

それでもクジラ塚の手前の祭壇の辺りは、戦いの神と昔の神官が感じたように、やや荒い気が残っています。まあ生贄とかも捧げたのでしょうから、大自然だけでなく、何となく人の念も残留している気もして、敬して遠ざける方がいい感じはします。



**ちなみにうちでハワイ島に旅行するときは、ファーストワイズさんという代理店に依頼しています。大手旅行代理店より安くて、そのくせハワイ好きのハートをくすぐるパッケージツアーが多く、しかも延泊やレンタカー(コナで借りてヒロで乗り捨て)とかこちらに変な希望にも柔軟に対応してもらっています。

ハワイ旅行専門店 ファーストワイズ


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