2014年8月29日金曜日

忘れ得ぬ人々 ~ハワイの真実の生活を教えてくれたオアフ島の現地ガイド

これまで何度もハワイに行って、いろいろな人に出会いました。袖摺り合うも他生の縁といいますが、前世のどこかで会っていたのでしょうか。

たとえば、ひそかに「絶滅危惧種」と思っていますが、街角で、レストランで、ホテルの片隅で、日系人のご老人と会うことがあります。

少しカタコトの日本語で話し掛けてきてくれて、特にまだ息子が小さかったので、老夫婦が可愛がってくれたのを思い出します。

そんな中で一番印象に残っている人をふと思い出しました。

いちばん印象に残っているのは、2006年に初めてハワイアンエイトさんというハワイ専門旅行会社のツアーで3日間ハワイ島に滞在し、最後ワイキキに一泊するというツアーで、ホノルル空港からワイキキバニヤン(だったか、記憶が定かでないのですが)まで送り届けてくれた、中国系か韓国系か分かりませんが、Qさんという、ちょっと怖そうなアジア顔で口にちょびヒゲを生やした、ギタリストの高中正義さんを短髪にしたような、当時で30歳そこそこくらいの現地コーディネーターでした。


初めて行ったハワイで、しかも妙にのんびりできるハワイ島と違って、何だか落ち着かない都会のホノルル、しかも何だか怖そうな風貌のアジア系の人が迎えに来て、最初に名前を確認してからは無言のままワイキキまで101号を移動していました。

しかし何か話しておきたいと思った私は、ワイキキに近づいてきてダイアモンドヘッドの山が大きく見えてきたところで、「Qさん、あれがダイアモンドヘッドですか? ハワイは長いんですか?」といくつか訊くと、流暢な日本語で、

○奥さんは大阪の人で(日本人で)、彼自身も日本にもいたこと
○それまではラスベガスにいたけど、綺麗な海に魅せられてハワイに住み始めた

と話してくれました。でもそれから、いろいろためになる裏情報を続けて教えてくれたのです。曰く、

オアフ、特にホノルルとか中心地は物価が高くて、2つ仕事を掛け持ちしないと生活できないほどです。自分もこれ以外の仕事もしています。

日本語ができる人なら、日本人の観光客相手の仕事はたくさんあります。ただし時給は高くないです。(リーマンショック後は激減したようですが、最近はどうなんでしょう)

綺麗な海は最初はいいんですけど、毎日見ていると飽きますよ。

アロハスピリットというけど、そんなもんここにはありませんよ。車の列に合流するときに誰も入れてくれないほどです。(ハワイ島、特にヒロでは、レンタカーで走り回っていますが、まだアロハの譲り合いの精神は生きていると思います)。

チップは本来自分が受けたサービスの満足度で多くても少なくてもいいのに、日本人相手だと強制的に15%とか上乗せして請求するけど、そういうのはよくないと思う。いいと思ったらそれなりに多く、よくないと思ったら少なくていいんです。(前日にキング・カメハメハ・コナホテルの前の2階建てのレストランで、大して給仕もしてもらわなかったのに、15%上乗せされているのに気付かず、さらに15%近く上乗せしてカード払いしてしまったので、本当に彼のコメントが参考になりました)。

皆さんABCストアで日用品や土産物を買うけど、あそこは割高です。何か買うならウォルマートとかドラッグストアがいいですよ。(のちにロングスを発見して、銀行がいくつかあるコナの中心エリアや、ケアウホウ・ショッピングセンターのロングスで日用品や土産物のマカデミアチョコレートとか買っています)。




この生のハワイ情報にすっかり私も妻も感動してしまい、帰国してからハワイの写真を見て思い出したり、また行きたいとか、しばらく住みたいとか話していると(私は留学しようと思ってTOEFLまで受けてしまったほどです。ハワイ大学の学部ならギリギリ受かる点数でした)、「きれいな海でも毎日見ていると飽きますよ」というQさんの言葉を思い出して、ずいぶん冷静になりました。

しかも、結局それ以来、ほぼ毎年のようにハワイ島を訪問するようになったので、チップを渡すときの考え方やレシートのチェック(たとえばコナのタイ料理店バンコックハウスとか、キャプテンクックのマナゴホテルの食堂、ヒロのMiyo'sとか気に入っているところではできるだけきちんと出します)をする習慣が身に付きました。

またまずハワイ島到着日に日用品やドリンクを買うときはウォルマートかロングスに行くか、帰りの土産物を買うときもそれらの店に行ったり(ここ2年くらいは、個人的にも好きなマウナロア・マカデミアナッツの商品がロングスでよく安売りされていました)、それだけで観光客相手の店だと6ドルするものを3ドルで買えたり、金銭的にも相当セーブされたはずです。

その後2008年のリーマンショックでハワイの観光産業も相当ダメージを受けたはずですから、Qさんと大阪出身の奥さんもメインランドか、もしくは日本にでも移ってしまったのでしょうか。お元気だといいのですが。

何だかもっと早く話し掛けておけばよかった、と後悔した出会いでありました。

考えてみるとそれ以来、プールとかバーベキューとかで出会って挨拶とかした人とは、必ず一通りは会話をするようにして、いろいろ面白い展開もあったりしているので、それもQさんのお陰といえるのかもしれません。

<そのとき宿泊したワイキキバニヤンの朝焼け。右手はダイアモンドヘッドの稜線>

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